台東は太平洋と黒潮による温暖な気候、そして汚染や破壊のない自然環境により、古くから多種多様な薬草が棲息していました。日本統治時代、日本人は台東の知本や太麻里一帯の山岳地帯に薬草を植え、薬の山としました。ここでは外部から持ち込まれた少数の植物以外は、ほとんどが台東地区(蘭嶼島を含む)の原生種の薬草でした。薬草の専門家によると、台東地区には 2000種あまりの薬草があるということです。「台湾における薬草の郷」としても過言ではありません。
台東原生應用植物園はこのような背景の下に誕生しました。オープンしてからわずか二年ですが、専門の経営集団により卓越した経営管理が行われ、台湾東部における一大観光レジャー植物園となっています。ここでは薬草栽培やバイオ研究、薬草レストラン、健康食品販売などが行われています。
入口の大きな噴水広場を抜けると、目の前には1500坪の広大な薬草植物園が現れます。園内の「原生探索植物園」では多種多様な薬草や草花が栽培されています。保健薬草、アロマ植物、薬膳植物、地被性植物、百草茶植物および水生植物などの6つのエリアに分かれており、合わせて200種あまりの植物が植えられています。これらはすべて台東原生種の植物です。
原生探索植物園を進んでいくと、中央展望桟橋に着きます。ここでは息を呑むような美しい光景を眼下に見下ろせます。中央山脈と海岸山脈の稜線に沿って南側を見ると、遠くには太平洋を望めます。
ここのもうひとつの自慢は、養生料理レストランです。山と海の絶景を眺められるだけでなく、創意溢れた養生料理を楽しむことができるのです。園内に栽培されている各種の有機養生野菜を具材とした養生鍋料理には、紅刺蒽末や香椿末といったハーブを用いたオリジナルのタレも付いています。ここを訪れたら必ず味わって下さい。紅鳳菜や白馬齒莧、酸模、龍葵、さつまいもの葉、雷公根、昭和草、山芹菜、土人蔘などといった薬草が供されるほか、薬草を用いた飲み物やデザートもあります。スタッフから解説を受けると、さらに有意義な食事となるはずです。
最後に園内中央にある「植物生活ギフトショップ」をご紹介しましょう。ここは薬草を原料とした健康グッズを提供しています。各種薬草を用いたお茶やお酒、薬草食品、薬草ボディケアグッズなど、約150種類あまりの商品があり、ほとんどがここで独自開発されたものです。