「碧山巌」は台北市内湖の碧山にあります。廟の中には、民族英雄と称えられる陳元光と、その部下である李伯瑤と馬仁という二人の将軍が祀られています。唐の末期に福建省の漳州地方を開いた陳玉光は、漳州の人々の守護神とされ、「開漳聖王」と称えられました。碧山巌は台湾最大の開漳聖王の廟であり、参拝者の線香の煙が絶えません。
伝説によると、漳州に住んでいた黄という人が、家族と共に台湾に移り住んだ時、この地を非常に縁起の良い場所と見立て、石の祠に線香を上げて帰ったと言われます。その後、山のふもと一帯で山賊が横行し、家を奪うなどして、人が住めなくなっていました。1751年、山賊が山頂への攻撃を計画していたとき、突然、山頂に尖った刃が現われ、軍太鼓鳴り響きました。その時、線香が吊るされていた神石が3つに分かれ、真ん中の石が聖王・陳玉光、そして左右の石は李伯瑤と馬仁の2人の将軍となりました。3つの岩は山を転がり落ち、山賊たちは武器を捨てて逃げ出した。これを知った近隣の住民は、ここに参拝に訪れ、神々に感謝して、小さな石造りの廟を建てました。その後、参拝者の増加に伴い、同じ場所に本堂が建てられました。その後、地域の多くの人々や信者、寺の運営者の努力により、何度かの自然災害を乗り越え、改築を経て現在に至っています。
廟の前の広場からは、台北盆地のほか、蛇行する淡水河や鯉魚山・棚田などを見渡すことができ、水と山の美しさが際立ちます。また夜には台北101や圓山大飯店の美しさを堪能できます。