台北市の長安西路に位置する台北当代美術館は、史跡のリノベーションによって設立され、国内の美術界からの関心を集める中、台湾初の現代美術の普及を目的とした美術館として、2001年5月、正式に開館しました。
赤レンガとグレーのタイルでできたこの建物は、かつて日本統治時代に建てられた建成小学校で、その後、台北市政府が市庁舎として40年間使用していました。1996年、旧台北市庁舎は市の史跡に指定され、史跡再利用の政策方針に基づき、旧台北市庁舎の正面ホールは台北市当代芸術館に、そして残りの2つの棟は建成国民中学の教室として使用されています。台北当代芸術館と建成中学校の新校舎が一体となっていることは、世界的に見ても珍しい学校と美術館の共用の先例であり、台北市の孔子廟と保安宮の歴史文化軸を拡大し、大同区全体の再開発を促進する新たな契機となっています。現在の前衛的で現代的な外観と、ヨーロッパの様式が当時の日本人建築家の作風に及ぼした影響によるスタイルが、現代美術館のユニークな融合と魅力的な外観を形作っています。
台湾当代芸術館は、史跡モニュメントそのものを会場とし、文化史と現代美術が並ぶ場の張力を有しています。 このような位置づけのもと、台北当代芸術館で開催される展覧会は、現代美術のマルチメディアで、ジャンルが跨る傾向があります。写真・映像作品・建築・ビジュアルデザインなどの現代メディアアートの豊富な展示形式を含んでいます。本芸術館では、国内外の学芸員とアーティストとのコラボレーションにより、グローバルな視点とローカルな視点を反映させた展覧会となることを期待しています。
また、台北市代芸術館では、専門家による講演会、アートツアー、シンポジウム、国際セミナーなどの教育・広報活動や、来館者の年齢や好みに応じてテーマを変えたワークショップや創作キャンプなど、アートと生活を結びつけるための様々な活動を行なっています。台北を訪れた際には、この魅力的な建物を訪れ、本格的な現代アートを体験するチャンスをお見逃しなく。