宜蘭県はマグマをもった断層地帯の上にあり、その地質の特殊性から各所に温泉が噴き出しています。なかでも、礁渓温泉の名は早くから知られていました。台湾では数少ない平地にある温泉です。風光も明媚で、昔から「蘭陽八景」のひとつに数えられていました。
礁渓温泉の発祥は、礁渓郷徳陽村福崇寺後方に小川があって、温かいお湯が流れていたことから、当地の農民が仕事の帰りに漬かって帰っていたということです。今でもそうした名残の公衆浴場が2ヶ所残っています。礁渓温泉はアルカリ性で、無色透明です。水質に酸化カリウムや硝酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ホウ酸など豊富な有機物質や鉱物質を含んでいます。
沐浴後、皮膚はすべすべと光沢を発し、まったくべたつきません。温泉の中の温泉といわれる所以です。最近では、礁渓郷農協が温泉野菜、温泉鉱水、温泉養殖など温泉をさまざまな用途に応用しており、農村経済の活性化や観光事業の発展を促進しています。