花東縦谷は、北は花蓮平原から南は台東平原まで続く、中央山脈と東部海岸山脈に挟まれた縦に長い平原です。ここは、ユーラシアプレートとフィリピンプレートが接しているため、地形的に断層が多くみられる地震の多い地域です。また、海抜2,000、3,000メートルの高山に位置する花蓮渓、秀姑巒渓、卑南渓、そして、急流が河口に運ぶ砂利や土砂が堆積し、沖積層を形成しています。これは草木が育ちにくい地質で、水量も一定しないのですが、台湾東部の農民の不断の努力で作物の栽培を続けています。花蓮から台東にかけての田畑は花東縦谷のグリーンベルトを形成しています。
ここには、ミン南人や客家人ばかりでなく、アミ族、ピナン族、ブヌン族、パイワン族などの各先住民も多く住んでいます。毎年、各部族の行事では、今に受け継がれている伝統文化の姿を見ることができます。また、有史以前の遺跡が完全な形で見られるのもこの地域です。新石器時代、晩期のピナン文化遺跡、巨石文化遺跡などは、台湾の考古学上貴重な資料です。
このほか、観光資源も豊富です。農場、牧場、果樹園、温泉、森林リゾート、等。ほとんどが花東縦谷の鉄道或いは道路沿いにあります。手付かずに残る自然、青々とした田畑は都会から来た人々の心を和ませてくれることでしょう。