愛国東路の婚紗街
台北市の愛国東路を歩いていると、ウインドーに飾られたブライダルフォトが次々と迎えてくれます。華やかな衣装に身をつつみ、にこやかに微笑むカップルを見ていると幸あれとこちらも豊かな気持ちになってきます。
この愛国東路のすぐそばが中正紀念堂です。市内観光の重要スポットとなっており、外国からの観光客は一度はこの地を訪れ、青空にそびえたつ紀念堂を仰ぎ見ます。
故蒋介石総統を記念して建てられた中正紀念堂は、北京にある天壇の様式を取り入れ、そびえたつ姿はエジプトのピラミッドをほうふつさせます。白壁に鮮やかな藍色の屋根瓦、屋根の突端に据えられた宝頂と呼ばれる黄色の瑠璃瓦が、紺碧の空にひときわくっきりと光り輝いています。同敷地内には四季折々咲き乱れる花や木が植えられ、池や石橋を配した中国式庭園、中国の宮殿様式を再現した壮麗なナショナルシアターと音楽ホールがあります。天気の良い日には、花園や池をバックに、ドレスとタキシードに身をつつんだカップルが結婚写真を撮る姿をよく見かけます。
初めて中正紀念堂を参観した人たちは「大孝門」から愛国東路の街並みを目にすると、しばし唖然としてしまうに違いないです。愛国東路のわずか300mほどの通りに、華やかな雰囲気のブライダルフォトのスタジオが20数軒立ち並んでいるからです。
結婚を控えたカップルには、専門のコーディネーターが付き添い、新婦のメーキャップからドレスの選択、結婚式プラン、引き出物、披露宴会場、ハネムーン・コースにいたるまで、親身になって手配してくれます。この華やかな通りは、台北のブライダル・ロード(婚紗街)と呼ばれています。
生まれ変わった浪漫の街並み
愛国東路の婚紗街の起源は古いです。1980年に中正紀念堂が完成すると同時に格好のロケ地として人気を集めるようになり、ブライダル関連の業者が次々とこの通りに開業し、ついに今日の婚妙街が出来上がりました。一時期、各業者は事業拡張に努め、林森南路や中山北路に支店をオープンして、激烈な競争を繰り広げたが、近年は新北市永和区、板橋区、新荘区などの近郊都市にもスタジオがオープンし、市内の業者は苦しい立場に追いやられるようになったそこで、ブライダル業者は台北市建設局や都市発展局の協力を得て、1990年以来国際ブライダル・キャンペーンを展開し、合同結婚式や各国の婚礼を紹介するなど、愛国東路の知名度を高めてきました。また、旅行業者と提携し、海外でのハネムーンを推進するなど、当地のブライダル産業の振興に力を入れています。
翌91年、愛国東路は台北市の模範商店街に選定されると同時に、台北市のテーマストリート12路の一つに指定されました。婚紗店の道路沿いには花壇や落ち着いた雰囲気の街灯が設置され、屋外のカフェテラスもオープンしました。さらに、各婚紗店のウインドーを飾るドレスも復古調から現代風のものまで幅広く揃えるなど、愛国東路の婚紗街は中正紀念堂と結びついた観光スポットへと変身しました。
アートフォトが大ブレーク
婚紗街では結婚写真ばかりでなく、近年はアートフォト(変身写真)が大流行です。それにあわせて、婚紗街の業務もますます充実、かつ多様化しています。ここでは、豪華なドレスやタキシードに身をつつみ、お気に入りの背景を選んでモデルやアイドルスターになるという夢をかなえてくれる。服装もクラシック調から超現代的なものまで、顧客の希望にそったオーダーメードのプランを立ててくれます。アートフォトは、今では愛国東路の婚紗店のもう一つの特色となっています。
ここで、一番気になるのは料金だが、欧米や日本と比較しても台湾の料金は高くないです。多様な、また創意に富んだサービスに加えて、ソフト、ハード面でも国際レベルに達しているので、作品の出来上がりも素晴らしいです。その評価はますます高まり、最近では写真撮影を目的に訪れる外国人観光客が増え、愛国東路はいま一押しのツアースポットとなっています。
中山北路の婚紗街
台北で最も知られた結婚写真館街です。結婚写真の外、個人の写真撮影も大歓迎です。