日月潭北側の山に位置する文武廟は日月潭の開拓と深いかかわりがあります。1932年、日月潭の水をダムに引くことになりましたが、これによって水没の危機に瀕した湖畔の龍鳳廟と益化堂が文武廟として現在の位置に移設再建されたのです。工事は4年の歳月をかけて、1938年に完成しました。その後、1969年から1975年にかけて全面修築が行われました。
この間、計7回視察に訪れた蒋介石総統は同廟の完成が中華民国の建国60周年に間に合うよう、工事の進行具合を気にかけ、予算の調達をしたり、各界の人士に全面支援するよう指示したりしました。このため、当時の黄杰台湾省政府主席は建築様式に「北朝式」を用いることを決定、現在の風格ある姿はこうやって生まれました。
文武廟は台湾で唯一、正門が開いている孔子廟で、参拝者に対する占いを行っているのが特徴です。このほか、本殿前には美しい龍の石彫刻が彫られており、多くの人が観賞に訪れています。