猫空は台北郊外の木柵区格頭山の西南方向に位置します。「猫空」という地名は茶研センター一帯の渓谷地形と関係しています。渓流に運び込まれた大量の土砂が長年にわたって川床を浸食し、円形や楕円形の穴が形成されていることに由来します。地質学では「壺穴」、ホーロー語では「了康」(意味は皺のある甌穴)と呼ばれています。日本統治時代には発音が似ていることから「猫空」と改名されました。現在の猫空は近くにある政治大学の学生たちの活動拠点となっており、学生たちが夜遅くまで遊びに訪れ、賑わいを見せています。ここでは特殊な茶観光産業が発展しています。
なかでも、文山包種茶と鉄観音はとくに有名で、風格の異なる茶芸館が建ち並び、昼夜にかかわらず、風情豊かであります。日中は青々としたお茶の葉や山の景色が見られ、あちこちに設けられている登山道は台北市民の最高の憩いの場となっています。日が暮れてからは、茶芸館には色とりどりのライトが灯り、まるで妖艶な女性のように変貌します。茶芸館はお茶を味わい歓談しながら、夜景を眺める客で席が埋められ、若者たちの笑い声があちこちから立ち上がります。これが絶えることのない猫空の生命源となっています。
観光茶園は主に指南路三段34巷、38巷、40巷および指南路三段の前段部に分布しており、ほとんどの茶園では茶請けや軽食のサービスを提供しています。近年観光産業が発達したおかげで、地鶏を育てたり山菜料理店を開いたりするなど多くの商家が副業に精を出しています。猫空を訪れたなら、特産物を味わうチャンスを見逃してはならないです。